クリーンエネルギーとして「水素」が注目されています。地球上にあふれる水を化学的に分解することによって得られる「水素」は様々な可能性を秘めており、多数の分野で研究が進められています。
■世界的に注目される「水素エネルギー」
クリーンエネルギーは電気や熱などに変える際、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などといった有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のことを指します。
「水素」が燃料として注目されているのは
・エネルギーを取り出す際の生成物が無害な水のみ
・エネルギー効率が高い
・地球上には無尽蔵にある物質である
という点です。
利用時に有害物質を排出しないという点では「水素」はとても優れていますが、現在最も安価である水素の発生方法は天然ガスなどから作る方法で、その段階で二酸化炭素が発生してしまうという部分もあります。
しかし、将来的には水を電気分解して水素を作る際に、風力、水力、太陽光などの再生可能エネルギーを利用できるようにすることで有害物質0も可能になってきます。既に太陽光を利用した水素ステーションも実在します。
■日本が水素研究の最先端に
昨今、世界でもクリーンエネルギーや再生可能エネルギーが注目を集めていますが、日本においての水素エネルギー事情は、他国と比較して最先端にいるとも言われています。
燃料電池自動車は日本が世界に先駆けて開発、実用化されましたし、都市ガスやプロパンガスから取り出した水素と空気中の酸素で発電した際の熱を利用した給湯器も一般家庭に広く普及されています。
医療分野での「水素」の研究も日本人の教授による論文から発展していきました。
その論文は「水素ガスが、タンパク質やDNAにダメージを与え生活習慣病などの原因となる活性酸素を選択的に除去できることが、動物実験で突き止められた」というもので医学雑誌の最高峰であす「Nature Medicine」に掲載されました。
「Nature Medicine」に掲載される論文は、行った実験が正確であること、研究結果の重要性、将来性が認められなければならず、かつ面白いものであるということが求められるので、多大な功績であると言えます。
その後、水素に関する医学的研究が進められ、臨床試験も行われていき驚くほどのスピードで発展してきました。
■まとめ
今では水素社会の実現に向けて動き出したり、食品添加物として認められるなど、「水素」は急速に私たちの身近に感じられるものになりました。
今後、更なる普及に向けて研究や開発が続いていくことが期待されます。