昨今の水素水ブームを経て水素水と聞くと美容や健康に結びつける人も少なくないのではないでしょうか。今でこそ多方面への効果が期待されていますが、水素の研究は元を辿ると医療研究の一環として進められてきました。
その中に40~50歳以降に見られることが多い難病の1つ、パーキンソン病の進行を抑制する研究あります。脳内のドーパミン不足で起こる神経性の病気で、手足の震えや動きが緩慢になる、筋肉のこわばりなどの症状が見られ、認知症を合併することもあります。
水素水の「パーキンソン病の進行抑制効果」に関して進められてきた研究の一部をご紹介いたします。
■低濃度水素水でも十分効能が得られている
パーキンソン病に関する研究では、動物実験の段階で0.08ppm程度の低濃度水素水でも進行抑制するのに十分な効能が得られることが分かりました。これは従来の「活性酸素の除去」という水素のメカニズム以外の仕組みが進行を抑制したことを示唆しています。
その後順天堂大学の研究グループが、小規模な臨床試験実施しています。
試験内容としては9人の患者に市販の水素水サーバーで作った1.6ppmの水素水を毎日1リットルを48週間にわたり飲んでもらうというものでした。
その結果、9人中6人の患者にUPDRS(統一パーキンソン病評価尺度)のスコア改善がみられたようです。また水素水を飲まなかったグループと比較しても、水素水を飲んだグループは平均5.5ポイント改善しているようです。
■今後のパーキンソン病に関する研究
現在、パーキンソン病に対する根本的な治療法はありません。薬物療法や手術による対症療法、リハビリテーションで進行を抑える治療が行われているのみで完治は難しいとされています。
パーキンソン病への水素研究ではすでにその効能が動物実験レベルで証明され、患者を対象にした臨床試験レベルでも良い結果が出ています。
今後、研究が進み臨床試験データが増え、水素の作用のメカニズムが解明されていけば、医療への本格的な応用に向けて研究が進められることが期待されています。
■まとめ
パーキンソン病は完全に進行を止めることはできませんが早期発見、治療を始めることで日常生活に支障がでないようにすることもできます。
パーキンソン病はその治療法について他分野で研究されている病気の一つです。
水素水の有用性の研究も含めこれからのパーキンソン病治療の研究に期待が高まります。